失業率2.4%、求人倍率1.19倍 転職市場は本当に良くなった?

ひとことで

失業率と求人倍率は改善しましたが、求人全体は横ばい。転職や採用では業種別の増減まで見る必要があります。

情報の確かさ:二重確認済み

結論

9月の完全失業率は2.4%で、前月より0.1ポイント改善しました。有効求人倍率も1.19倍へ0.01ポイント上昇しました。ただし、求人の総数はほぼ増えていません。「仕事が一律に見つけやすくなった」と読むより、希望する業種と地域の求人を確かめる数字です。

何が起きた?

総務省が10月30日に公表した労働力調査では、9月の就業者は6,896万人で前年同月より33万人増えました。完全失業者は169万人で15万人減り、完全失業率は季節調整値で2.4%、前月より0.1ポイント低下しました。

雇用者の内訳は、正規が3,783万人で前年同月より23万人増、非正規が2,138万人で47万人増です。働く人は増えていますが、雇用形態によって増え方が違います。

厚生労働省によると、有効求人倍率は1.19倍で前月より0.01ポイント上昇しました。これはハローワークの求職者1人に対し、求人が1.19件ある計算です。有効求人数は前月比0.0%と横ばい、有効求職者は1.4%減でした。倍率改善の主因は、求人増より求職者減です。

なぜ今?

昨夕は日銀の金利据え置きを扱いました。金利を上げても景気が耐えられるかを考えるうえで、雇用の強さは重要です。一方、家計にとっては「失業率が低い」だけでなく、希望する仕事があり、給料が物価に追いつくかが大切です。

第三者の見方

Reutersは、求人倍率1.19倍と失業率2.4%が事前予想より良かったと報じました。ただし、厚生労働省への取材では、悪天候でハローワークへの来所が少なかった影響も示されています。1か月の改善だけで雇用全体の勢いが強まったとは判断できません。

生活・仕事への影響

求職者には、数字上は求人が求職者を上回る状態です。ただ、9月の新規求人は前年同月比0.4%減でした。製造業は8.2%増、情報通信業は5.9%増でしたが、卸売・小売業と宿泊・飲食サービス業はともに6.3%減です。転職のしやすさは業種でかなり違います。

企業には、採用市場が急に緩んだとは言い切れません。人手が必要な職種では募集賃金、勤務時間、教育体制を競合求人と比べる必要があります。家計では、統計の改善が直ちに給料増を意味しないため、求人票の月給だけでなく手当、賞与、固定残業、交通費まで確認したいところです。

過去の似た局面

有効求人倍率は2026年6〜8月に1.18倍が続き、9月に1.19倍となりました。完全失業率は8月の2.5%から2.4%へ低下しました。どちらも改善幅は小さく、現時点では大きな転換より「雇用は底堅いが、業種差がある」と見る方が自然です。

筆者の見方

基本シナリオは、低い失業率を保ちながら、求人倍率が1.2倍前後で推移する可能性です。注意シナリオは、小売や宿泊・飲食の求人減が続き、接客職の選択肢が狭まる場合です。改善シナリオは、製造業や情報通信の求人増が関連サービスへ広がる場合です。判断には次月の求人総数と実質賃金が必要です。

今日できること

  1. 転職希望者は、同じ職種を3社以上比べ、基本給・固定残業・休日・勤務地を表にする。
  2. 採用企業は、応募数だけでなく面接辞退率と内定辞退率を確認する。
  3. 在職者は、同業種の求人条件を見て、賃金交渉や学び直しの材料にする。

人に話すなら一言

失業率は改善したが、求人自体は横ばいなので、転職のしやすさは業種別に見る必要があります。

明日以降に見るポイント3つ

  1. 新規求人の業種別増減:仕事の選択肢がどこで増減しているか分かるため。
  2. 実質賃金:雇用が増えても、給料が物価に負ければ家計は楽にならないため。
  3. 次月の求職者数:9月の減少が天候など一時的な要因か確かめるため。

用語解説

参照資料

一次情報

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