全国地価1.5%上昇、住宅購入や家賃はどう見る?
ひとことで
全国の地価は前年比1.5%上昇。住宅購入も家賃も、全国平均ではなく地域と契約条件を確認。
情報の確かさ:二重確認済み
結論
国土交通省が9月15日に公表した都道府県地価調査で、全国の地価は7月1日時点で前年比1.5%上昇しました。5年連続の上昇ですが、全国一律ではありません。家を買う人も借りる人も、平均より希望地域の価格と返済・賃貸条件を見ましょう。
何が起きた?
全国の全用途平均は前年比1.5%上昇し、前年と同じ伸びでした。住宅地は1.0%上昇で前年と同じ、商業地は2.9%上昇で前年の2.8%から0.1ポイント拡大しました。
東京・大阪・名古屋の三大都市圏は全用途平均で4.4%上昇し、前年の4.3%を0.1ポイント上回りました。一方、地方圏は0.4%上昇で前年と同じです。長野県白馬村の商業地には35.6%上昇の地点がある一方、下落地点もあり、全国平均だけでは自宅周辺を説明できません。
基準地は全国2万1466地点で、うち10地点は調査休止です。1平方メートル当たりの価格を比べた統計で、実際の売買価格、建物価格、家賃そのものではありません。
なぜ今?
国交省は、都市部の住宅需要、店舗・ホテル需要、再開発、観光地の訪日客需要などが上昇を支えたと説明しています。住宅ローン金利や建築費も動くため、土地の数字だけで購入負担は決まりません。
第三者の見方
Reutersは、全国1.5%上昇は前年と同じで、1991年以来の高い伸びを維持したと報道しました。急加速ではなく、高めの伸びが続いたと読むのが正確です。
生活・仕事への影響
すぐに給料、預金金利、住宅ローン金利、家賃が1.5%変わるわけではありません。月15万円の家賃に機械的に1.5%を掛けると2250円ですが、実際の改定は契約、周辺相場、更新時期で決まります。
今後、上昇地域では住宅取得費や店舗賃料が押し上げられる可能性があります。反対に、人口や需要が弱い地域では全国平均と逆の動きもあり得ます。固定資産税の評価も、この調査値がそのまま請求額になる仕組みではありません。
過去の似た局面
全国平均は5年連続で上昇し、今年の1.5%は前年と同じです。1991年の3.1%上昇以来の高い伸びですが、当時と金利、所得、人口構成が違うため、同じ値動きになるとは判断できません。
筆者の見方
第一は、都市中心部や観光地の上昇が続く可能性です。ただし金利と需要次第です。第二は、価格の高い地域から郊外へ需要が移る可能性。第三は、地域差がさらに広がる可能性です。自分の地域がどれに近いかは、実際の成約価格が出るまで判断できません。
今日できること
- 国交省の地価情報で、希望地域に近い基準地を確認する。
- 購入費を土地、建物、諸費用、ローン利息に分ける。
- 賃貸は更新日、賃料改定条項、周辺の募集賃料を確認する。
人に話すなら一言
全国地価は1.5%上がりましたが、家計が見るべきは自分の地域の実価格と契約条件です。
明日以降に見るポイント3つ
- 地域別の成約価格:調査価格が実際の売買へ届いたかを見るため。
- 住宅ローン金利:土地価格と合わせた毎月返済額を左右するため。
- 家賃の更新通知:地価上昇が実際の支払いへ移るか確かめるため。
用語解説
- 都道府県地価調査(Prefectural Land Price Survey)=毎年7月1日時点の基準地価格を都道府県が調べる統計。
- 基準地(Benchmark Site)=毎年、同じ条件で価格を調べる代表地点。
- 商業地(Commercial Land)=店舗や事務所など商業利用が中心の土地。
参照資料
一次情報
- 国土交通省「令和8年都道府県地価調査の概要」PDF(2026年9月15日公表、価格時点7月1日)