中国車の部品代、検収は3営業日以内 日本の取引先は何を見る?
ひとことで
中国が車部品代の支払い指針を具体化。日本企業は売上より検収日、入金日、支払手段を確認。
情報の確かさ:二重確認済み
結論
中国の工業情報化部と市場監督管理総局は9月7日、自動車メーカーによる仕入れ代金の支払い指針を公表しました。一般部品は受領後3営業日以内、装車確認が必要な部品は5営業日以内に検収します。日本の取引先は、検収日と入金サイトが実際に短くなるかを見ましょう。
何が起きた?
文書の日付は9月2日、公表は7日です。支払期間は、貨物・工事・サービスの検収合格日から数えます。一般部品は受領後3営業日を超えて未検収なら合格扱い。連続供給は原則1カ月以内の周期で照合します。
中小企業への支払いは30日以内を奨励し、最長60日以内としました。これは全取引への一律の「60日義務」ではありません。ただし車会社が60日以内と公約した場合、契約の支払期限は公約を超えないよう求めます。手形など非現金手段の押し付けも認めません。
なぜ今?
2025年6月に主要17社が60日以内を公約しましたが、検収を遅らせれば支払い開始日もずれます。今回の指針は、その抜け道を塞ぐ内容です。企業は毎年7月末と1月末までに報告し、当局は年1回の第三者評価を公表します。
第三者の見方
Reutersは、支払期間が成熟した多国籍メーカーよりなお長いとの当局説明を報道。苦情が多い企業などは合同聴取や是正対象になりますが、罰則の詳細は未公表です。
生活・仕事への影響
すぐに日本の車価格、給料、預金金利、住宅ローンは変わりません。中国の車会社へ納める日本企業や中国子会社は、入金が早まれば運転資金を減らせる可能性があります。
円換算1億円相当の代金が30日早く入り、年2%で資金調達しているなら、単純計算の利息負担は約16万円減ります。実際は人民元金利、為替、契約で変わります。
過去の似た局面
2025年の業界倡議は一般部品の検収を原則3営業日以内、支払いを最長60日としていました。今回は装車確認を5営業日以内と明記し、報告・第三者評価・是正を加えました。実際の平均日数は未公表です。
筆者の見方
第一は、入金が早まり、中小部品会社の資金繰りが改善する可能性です。ただし奨励事項もあります。第二は、代わりに値下げ要求が強まる可能性ですが、文書はそれも避けるよう求めています。第三は、契約だけ変わり実務が追いつかない可能性。初回評価まで判断できません。
今日できること
- 中国向け契約の納品日、検収期限、支払起算日を一枚に整理する。
- 売掛金を30日、60日、60日超に分け、現金と手形の比率を見る。
- 値下げ要請があれば、入金短縮と粗利益への影響を別々に記録する。
人に話すなら一言
中国は車部品代の60日公約だけでなく、検収の先延ばしまで防ぐ指針を出したという話です。
明日以降に見るポイント3つ
- 各社の契約改定:指針が実際の支払条件へ入るかを見るため。
- 第三者評価の実施細則:対象企業と評価方法がまだ未公表だからです。
- 60日超の売掛金:制度より先に、現場の改善を確かめられるため。
用語解説
- 売掛金(Accounts Receivable)=商品やサービスを納めた後、まだ受け取っていない代金。
- 支払サイト(Payment Term)=納品や検収から代金が支払われるまでの期間。
- 運転資金(Working Capital)=仕入れや人件費など日々の事業に必要なお金。
参照資料
一次情報
- 中国工業情報化部・市場監督管理総局「自動車企業のサプライヤー代金支払い規範と支払期間管理の最適化に関する通知」(新華網転載)(文書日2026年9月2日、公表9月7日)