景気一致指数120.6、「改善」でも家計は楽になった?

ひとことで

7月の景気一致指数は前月から1.7ポイント上昇。ただし家計支出と自社受注は別に確認。

情報の確かさ:二重確認済み

結論

内閣府が9月29日に改訂した7月の景気一致指数は120.6で、前月から1.7ポイント上昇しました。基調判断は「改善を示している」です。ただし、景気全体の向きと一人ひとりの家計は同じではありません。

何が起きた?

一致指数は、生産、雇用、小売など10系列をまとめた指標です。2020年を100としますが、経済規模そのものを表す数字ではありません。

輸送機械を除く投資財出荷は前月比5.3%増、労働投入量は同1.4%増、小売販売額は前年同月比3.7%増。一方、鉱工業生産は前月比0.2%減でした。先行指数は117.7で速報より0.2ポイント下方修正されましたが、前月からは1.5ポイント上昇しました。

なぜ今?

9月7日の速報後に分かった統計を加え、29日に改訂値が出たためです。一致指数120.6は速報と同じでした。総務省の7月家計調査では、二人以上世帯の消費支出は30万1245円で、前年同月比実質3.6%減。8カ月連続の減少でした。「景気改善」と「生活が楽になった」は別です。

第三者の見方

労働政策研究・研修機構は速報時点で、投資財出荷と小売販売額が押し上げたと整理。改訂後も中心値と判断は変わりません。

生活・仕事への影響

すぐに賃金、預金金利、住宅ローン返済額が変わるニュースではありません。企業は自社の受注、客数、在庫を確認しましょう。「1.7ポイント上昇」を売上1.7%増として予算へ掛けるのは誤りです。

家計は景気判断だけで支出を増やさず、手取りと固定費を前年同月と比べましょう。

過去の似た局面

一致指数は4月118.3、5月118.3、6月118.9、7月120.6と推移。3カ月平均も前月から0.77ポイント上昇しました。単月だけの動きではありませんが、家計消費の弱さは残ります。

筆者の見方

第一は、設備投資関連と雇用が支え、改善が続く可能性があります。ただし8月以降の生産は未確認です。第二は、企業活動が伸びても物価の影響で家計消費が弱いままの可能性があります。第三は、輸出や生産が鈍り、7月の上昇が一時的となる可能性です。現時点では判断できません。

今日できること

  1. 企業は受注、売上、在庫を直近3カ月で並べる。
  2. 家計は手取り、固定費、食費を前年同月と比べる。
  3. 「指数のポイント」と「売上の%」を混同しない。

人に話すなら一言

景気は「改善」でも、家計が一斉に楽になる数字ではなく、自分の収入と売上を別に見る話です。

明日以降に見るポイント3つ

  1. 8月の景気一致指数:7月の上昇が続くか確かめるため。
  2. 消費支出と実質賃金:企業の改善が家計へ届くかを見るため。
  3. 自社の受注と在庫:全国指数より早く現場の変化をつかむため。

用語解説

参照資料

一次情報

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