中国の小売0.4%増、投資7.2%減 日本企業は何を見る?

ひとことで

中国は工場生産が伸びても消費と投資は弱いまま。日本企業は中国向け売上を数量と単価に分けて確認。

情報の確かさ:二重確認済み

結論

中国国家統計局が9月15日に発表した8月の工業生産は前年同月比5.2%増えましたが、小売売上高は同0.4%増にとどまりました。1~8月の固定資産投資は前年同期比7.2%減です。「工場は動くが、国内でモノや設備を買う力は弱い」という差が、日本企業の受注に重要です。

何が起きた?

一定規模以上の工業増加値は前年同月比5.2%増。7月の4.5%増から0.7ポイント加速し、市場予想の4.8%増も0.4ポイント上回りました。コンピューター・通信・電子機器は17.2%増、工業ロボット生産は34.6%増です。

一方、8月の小売売上高は前年同月比0.4%増。7月の0.6%増から0.2ポイント鈍化し、予想の0.8%増の半分でした。自動車は18.5%減、通信機器は27.3%増で、商品差も大きくなっています。

1~8月の固定資産投資は前年同期比7.2%減。1~7月の6.7%減から悪化しました。不動産開発投資は19.9%減、新築住宅を含む商品房の販売額は13.0%減です。工業生産は物価を除く実質、小売は名目なので、5.2%と0.4%の差をそのまま景気の点差とは見なせません。

なぜ今?

中国向けに機械、電子部品、化粧品、自動車関連品を売る日本企業では、工場向け需要と家計向け需要が別方向に動く可能性があります。「中国景気」で一括せず、顧客と品目を分ける必要があります。

第三者の見方

Reutersは、先端製造業と輸出が生産を支える一方、消費低迷と不動産不況が景気の不均衡を深めていると報道。都市部の調査失業率も8月は5.3%で、7月の5.2%から0.1ポイント上がりました。

生活・仕事への影響

すぐに日本の給料、預金金利、住宅ローン、店頭価格が変わる統計ではありません。中国製品の価格も、為替、運賃、関税、在庫で決まるため、一律に下がるとは言えません。

中国向け月商1000万円の会社で、販売数量が仮に5%減れば、単価と為替が同じなら月50万円減です。平均の0.4%を売上計画へ直接当てず、自社の受注数量、単価、入金日を見ましょう。

過去の似た局面

Reutersによると、1~8月の固定資産投資の落ち込みは2020年4月以来の大きさです。当時は新型コロナによる広範な停止が中心でした。今回は不動産と民間投資の弱さが目立ち、同じ回復経路になるとは限りません。

筆者の見方

第一は、消費と不動産の弱さが続き、日本企業の中国向け販売が伸びにくい可能性です。第二は、AIや先端製造への生産集中が続き、装置・部品需要と価格競争が同時に強まる可能性。第三は、政策支援で消費が上向く可能性ですが、規模と時期は現時点では判断できません。

今日できること

  1. 中国向け売上を顧客、品目、数量、単価、為替に分ける。
  2. 受注残、在庫、売掛金の回収日数を前年同月と比べる。
  3. 家計は中国統計だけで買い急がず、実売価格と保証を確認する。

人に話すなら一言

中国は工場が伸びても消費と投資は弱く、日本企業は中国向け売上の中身を見る話です。

明日以降に見るポイント3つ

  1. 中国の9月受注と小売:生産と消費の差が縮まるかを見るため。
  2. 日本の対中輸出:中国の数字が日本企業の実受注へ届いたか確かめるため。
  3. 企業の中国売上と在庫:業種別の影響を実額で確認するため。

用語解説

参照資料

一次情報

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