大企業景況感はプラス5.3、中小企業はマイナス10.9 仕事はどう見る?
ひとことで
大企業の景況感はプラス5.3、中小企業はマイナス10.9。平均ではなく自社の受注と人員を確認。
情報の確かさ:公式発表確認
結論
内閣府と財務省が9月11日に発表した7~9月期調査で、大企業の景況判断はプラス5.3ポイント、中小企業はマイナス10.9ポイントでした。全体が同じ景気ではありません。自社の受注、人員、投資を見ましょう。
何が起きた?
景況判断BSIは、前の3カ月より「上昇」と答えた割合から「下降」を引いた値です。大企業は4~6月期のマイナス0.5からプラス5.3へ改善。製造業はプラス7.6、非製造業はプラス4.2。中堅企業はプラス0.8、中小企業はマイナス10.9です。
9月末の従業員数判断は、大企業でプラス26.7ポイント。「不足気味」超は61四半期連続です。2026年度の設備投資計画は前年度比11.0%増で、前回の8.2%増から2.8ポイント上方修正。調査時点は8月15日、回答は1万1244社です。
なぜ今?
半導体・データセンター関連の需要が強い一方、会社規模や業種で景況感が分かれています。設備投資の対象は、大企業と中堅企業でソフトウェアが首位でした。
第三者の見方
Reutersの別調査でも、9月の大企業製造業はプラス21と前月のプラス18から改善。ただし質問や対象が異なり、政府調査の5.3とは直接比較できません。
生活・仕事への影響
給料、預金金利、住宅ローンはすぐ変わりません。大企業ではIT案件が増える可能性がありますが、計画は実績ではありません。中小企業では受注が増えても、人手不足や仕入れ高で利益が残らない場合があります。
従業員100人の会社で仮に5人不足なら、残業、外注、採用のどれで補うかが身近な論点です。調査でも大企業への影響は「業務負担・勤務時間の増加」が最多でした。
過去の似た局面
4~6月期は大企業がマイナス0.5、中小企業がマイナス17.6。今回は双方改善しましたが、なお16.2ポイント差です。「景気回復」という平均だけでは現場を説明できません。
筆者の見方
第一は、設備投資計画が実行され、ソフトウェアや省人化の仕事が増える可能性です。第二は、中小企業の回復が遅れ、賃上げより人件費負担が先に重くなる可能性。第三は、原材料高や需要減で計画が下方修正される可能性です。実際の受注と投資額が出るまで判断できません。
今日できること
- 自社の受注額、受注残、粗利益率を前年同期と比べる。
- 人手不足を残業時間、欠員数、採用単価で数値化する。
- 投資計画を「承認済み」「発注済み」「稼働済み」に分ける。
人に話すなら一言
大企業の景況感は上向きでも中小企業はなお下向きで、見るべきは自社の受注と人員です。
明日以降に見るポイント3つ
- 中小企業の受注と価格転嫁:景況感の差が利益の差へ広がるかを見るため。
- 設備投資の実行額:11.0%増は計画であり、発注されたかが重要だからです。
- 残業時間と採用数:人手不足が賃金か負担増のどちらへ出るか確かめるため。
用語解説
- 景況判断指数(BSI:Business Survey Index)=「上昇」の回答割合から「下降」を引いた値。
- 設備投資(Capital Expenditure)=機械、建物、ソフトウェアなど将来の事業に使う支出。
- 価格転嫁(Cost Pass-through)=上がった費用を販売価格へ反映すること。
参照資料
一次情報
- 内閣府・財務省「法人企業景気予測調査(令和8年7~9月期調査)結果の概要」(調査時点2026年8月15日、公表9月11日)
- 財務省「法人企業景気予測調査 調査の結果」(2026年9月11日確認)