実質消費3.6%減、家計は何を減らした?食費と買い物の見方
ひとことで
7月の実質消費は前年同月比3.6%減。食費は金額が増えても購入量が減った可能性。
情報の確かさ:二重確認済み
結論
総務省が9月4日に発表した7月の実質消費支出は、二人以上の世帯で前年同月比3.6%減りました。ただし前月比は0.5%増で、消費が一方向に落ちたわけではありません。
何が起きた?
1世帯当たりの消費支出は30万1245円。名目では前年同月比1.5%減、物価の影響を除く実質では3.6%減でした。実質3.6%減は、同じ30万円の買い物なら前年より約1万800円分少ない計算です。
食料は9万5681円で、名目は前年同月比2.2%増えた一方、実質は1.3%減。払った金額は増えても、購入量や商品の組み合わせは縮んだことを示します。交通・通信は実質8.5%減、住居は16.4%減。教養娯楽は4.8%増でした。
勤労者世帯の実収入は68万9476円。名目は前年同月比1.7%減、実質は3.8%減でした。
なぜ今?
前日の民間調査ではサービス業が改善しましたが、今回の公的統計では家計支出が弱いと分かりました。企業の景況感と買い物を分けて見る必要があります。
第三者の見方
Reutersによると、3.6%減は8カ月連続で、市場予想の1.6%減より2.0ポイント弱く、2024年1月以来の大幅な減少でした。同省は、娯楽や家事用品を増やす一方、食料や交通を抑える選別的な消費だと説明しています。
生活・仕事への影響
食費の金額だけで使い過ぎと判断するのは禁物です。容量や購入回数が減っている可能性があります。金額、数量、単価を分けましょう。
小売、外食、サービス企業は、売上高だけでは需要を誤解します。値上げで平均単価が上がっても、客数や購入点数が減れば、今後の売上や人員計画に影響する可能性があります。
過去の似た局面
実質消費は5月0.4%減、6月3.3%減、7月3.6%減。減少幅は2カ月続けて広がりました。2024年1月は6.3%減でしたが、当時と現在では物価や所得が異なり、同じ展開になるとは限りません。
筆者の見方
第一は、食料など日常支出を抑え、娯楽を選んで使う状態が続く可能性です。品目別の差が根拠ですが、夏休み要因もあります。第二は、実質所得の減少で消費全体がさらに弱まる可能性。ただし前月比は増えました。第三は、賃金が物価を上回り消費が戻る可能性ですが、現時点では判断できません。
今日できること
- 食費を金額、購入点数、1点当たり単価に分けて前年同月と比べる。
- 家計は定額サービスと娯楽費を、利用回数まで含めて確認する。
- 企業は売上を客数、購入点数、平均単価、粗利益率に分解する。
人に話すなら一言
家計は何も買わなくなったのではなく、食費や移動を抑え、使う先を選んでいるという数字です。
明日以降に見るポイント3つ
- 8月の実質消費:減少幅の拡大が続くかを見るため。
- 実質賃金と物価:買える量を決める所得の回復を確かめるため。
- 客数と購入点数:販売額の裏で需要が減っていないかを見るため。
用語解説
- 実質消費(Real Consumption)=物価変動を除き、実際に買った量に近づけた消費。
- 名目消費(Nominal Consumption)=物価変動を含む、実際に支払った金額。
- 季節調整値(SA:Seasonally Adjusted)=季節による定期的な変動を除いた数字。
参照資料
一次情報
- 総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)2026年7月分」(2026年9月4日)
- 総務省統計局「家計調査報告―2026年7月分―」PDF(2026年9月4日)